ヌーヴェルヴァーグ(Nouvelle Vague)

フランス映画が世界的に地位を確立するようになったのは、恐らくヌーヴェルヴァーグ
以降のことでしょう。

ここでは、当時の女優のことに触れる前に、ヌーヴェルヴァーグとは何か、について
簡単に触れておこうと思います。

ヌーヴェルヴァーグとは、「新しい波」という意味のフランス語で、特に1950年代に
フランス映画界で起きた、革新的な映画スタイルについていいます。

映画産業は、単純な映像を更に進化させて、ヌーヴェルヴァーグ以前には既にきちんと
したストーリーを元に演劇的要素を取り込んだものが主流になっていましたが、
そこにある固有の表現方法から脱却し、新しい試みをふんだんに取り入れたスタイルを
提唱し始める一派が現れました。

その一派に属する、ヌーヴェルヴァーグの旗手になったのが、日本でも有名な、
ジャン・リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォー、ロジェ・バディムなどです。

ロジェ・バディムが、ブリジット・バルドーにヌードで演技をさせた「素直な悪女」
(1956年)などは、単純に卑猥なものと捉えられることが当たり前でしたが、
ヌーヴェルヴァーグ以後、ああいった表現が映画の中でも認められるようになります。

現在のフランス映画の根底は、このヌーヴェルヴァーグにあり、今でもフランス映画を
批評するときには、「ヌーヴェルヴァーグとそれ以後」というように映画をカテゴリ
分けすることが多くあります。

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