フランソワーズ・ドルレアック(Francoise Dorleac, 1942年3月21日-1967年6月26日)
カトリーヌ・ドヌーヴの1つ年上の姉で、悲劇的な交通事故死により、25歳という若さでこの世を去ったのが、フランソワーズ・ドルレアックです。
ドヌーヴとは「ロシュフォールの恋人たち」というミュージカル映画で、双子として共演しました。
元々ドヌーヴより先にデビューしていたドルレアックは、「将来大女優になる」と言われていた実力派の女優でした。
そして、妹のドヌーヴは、ドルレアックの一番の理解者であり、二人揃ってスターの道を歩んでいくはずでしたが、映画撮影に向けてニースからロンドンへ急ぎ足だったドルレアックは、自分の運転する車のハンドル操作を誤り、一瞬にして帰らぬ人となってしまったのです。
フランス映画界に衝撃をもたらしたドルレアックの事故死により、妹・ドヌーヴは、抜け殻になったも同然の喪失感で、長年苦しんだといいます。
時は流れて1990年代、ドルレアックとドヌーヴの共演作「ロシュフォールの恋人たち」の撮影地であったロシュフォール市は、駅前通りを「ドルレアック通り」と改名しました。
大女優・ドルレアックに因んだ名前であることは言うまでもありません。
その記念式典には、ドヌーヴが出席しました。
外見の個性もドヌーヴとは全く違い、本当の自由と博愛精神を持っていたドルレアックは、現在もドヌーヴにとってのミューズであり、フランス映画史にはっきりその名を残しています。