ジャンヌ・モロー(Jeanne Moreau, 1928年1月23日生)
ジャンヌ・モローもまた、フランスを代表する演技派女優です。
18歳で演技に魅了され、女優を志すようになります。
両親の承諾を得て演劇学校に入学し、その後1948年にデビューしました。
このように、演技の世界で生きることを、若くして自らの意思で選択し、決してスカウトされる、というきっかけがあったわけではありませんでした。
その点が、ブリジット・バルドーなどとは全く違うところです。
同世代の女優であるバルドーとは、頻繁に比較されてきたといいます。
バルドーは、女優業には興味がなく、ただ、生活の糧として演劇の世界に存在しました。
「彼女は偶然女優になった人だから、さっさと演技をやめてしまった。私は自分で選んで演技を仕事としたから、演技以外に自分の生きる道はなかった」と後に語っています。
実際に特別な美人でもないジャンヌは、演技派としてブレイクするまでに、かなりの時間がかかりました。
恋人であった、ヌーヴェル・ヴァーグのルイ・マル監督によって1957年の映画「死刑台のエレベータ」に起用され、おおよそ10年越しで、世間に認められたのです。
現在では、むしろ確実な演技力による功績で、大女優として君臨するようになりました。
女優が女優たる理由も人それぞれ、バルドーのような華はなかったかもしれませんが、デビューして60年以上経った現在でも、第一線で活躍しています。